
こんにちわ!こんばんわ!よしこです!
今日は忘れられない一言についてお話します
「休んでいる私が元気になっていいのでしょうか?」
何年この仕事をしていても、心のどこかにずっと残り続ける言葉というものがあります。
今日話したいのは、休職中のある利用者さんから言われた、この一言です。
「休んでいる私が元気になっていいのでしょうか?」
休むということは、心にブレーキをかけることでもある
「休めば元気になる」と、多くの人は思っています。
わたし自身もそう思っていた時期がありました。
でも実際に休職している方の心の中は、そんなに単純なものではないんです。
体調が落ち着いてくると、買い物に行ける日が出てきます。
友人に会いたいと思える日もある。
ただ、そういう「少し元気になれた日」に限って、頭の中でこんな声が響くんです。
「こんなことをしていていいのだろうか。」
「仕事を休んでいるのに、楽しんでしまっていいのだろうか。」
元気になり始めていること自体に、罪悪感を抱いてしまう。
これ、休職している方の多くが、口には出さなくても抱えている感覚だと感じています。
「いいに決まっています」と、何度でも伝える
そんなとき、わたしはいつも同じ言葉を返します。
「元気になっていいんですよ。」
誰かに遠慮する必要なんてありません。
休職しているからといって、じっと家にこもって、病人らしく過ごさなければいけないわけじゃないんです。
笑える日があるなら、笑っていい。
外に出られる日があるなら、出ていい。
楽しいと思える時間があるなら、それを大切にしていい。
ただここで一つ、大事なことがあります。
この言葉を伝えたからといって、本人がすぐに受け止めきれるわけではない、ということです。
頭では分かっていても、心が追いつかないことがある
理屈では理解できていても、感情がついてこない。
これが、休職中の方が抱える、とても苦しい部分だと思っています。
「会社に申し訳ない。」
「周りのみんなは働いているのに。」
「私はただ、甘えているだけなんじゃないか。」
そうした思いが、静かに心を縛りつけていきます。
だからこそ、わたしたちが「いいんですよ」と一度伝えたくらいでは、何も変わらないこともある。
何度も、何度も、同じ言葉を伝え続ける必要があるんだと、この仕事を通して学びました。
一度言えばわかってくれる、ではないんです。
10回でも20回でも、同じように伝え続けることが大事だったりします。
精神科訪問看護師にできることは、正解を教えることではない
ここ、大事なことなので正直に言います。
精神科訪問看護師の仕事は、正解を教えることじゃないとわたしは思っています。
わたしたちにできることって、突き詰めるとこの3つくらいなんです。
どんな状況でも、その人の味方でいること。
安心して本音を話せる場所でいること。
否定せずに、その人の感情をそのまま受け止めること。
時には、周りからは理解されにくい、
不合理に見える感情に出会うこともあります。
「それはおかしい」と思えるような言葉が出てくることもある。
それでも、否定しません。
家族にも、職場にも、上司にも、世間にも理解されない苦しみが、確かにあります。
その理解されない感情を、それでも理解しようとし続けること。
それがこの仕事の本質のひとつだと、わたしは感じています。
「わかります」って簡単に言うのも違う。
でも「それはおかしい」とも言わない。
ただそこにいて、聞き続ける。
それだけでいい場面が、意外とたくさんあります。
変化は、本人の中で静かに起こる
何度も話を聞いて、何度もその思いを受け止める。
そういう関わりを積み重ねていくと、ある日ふと、利用者さん自身の口から、こんな言葉がこぼれることがあります。
「少し、元気になってもいいのかもしれない。」
この答えは、看護師であるわたしが用意するものじゃないんです。
本人が、自分自身の時間の中で見つけ出すもの。
そこにこそ、大きな意味があると思っています。
わたしたちはそのプロセスを、横でじっと見守っているだけでいい。
むしろそれしかできない。
でもそれが、この仕事の面白さでもあるんです。
精神科訪問看護は「治す」仕事じゃない
最後に、これだけ言わせてください。
精神科訪問看護は、病気を治すためだけの仕事じゃないと、わたしは感じています。
一人の人が、自分自身を少しずつ認められるようになっていく。
その過程に、そっと寄り添う仕事なんだと思います。
薬を確認しに行くわけじゃない。
世間話をしに行くわけでもない。
「元気になってもいいんだよ」という空気を、静かに届けに行く仕事。
わたしは今でも、あの言葉を忘れることができません。
「休んでいる私が元気になっていいのでしょうか?」
そして今でも、同じように答えています。
「もちろんです。元気になっていいに決まっています。」
これからも、一人ひとりの言葉に、じっくりと耳を傾けていきたいと思っています。
今日もグレーのソリオで、誰かの家のピンポンを押しながら、そんなことを考えていました。
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