こんにちわ、こんばんわ、Y子です。
今日は、コロナ病棟で勤務した一か月についてお話しします。
コロナ病棟ってどんなところ?
2020年、世界中で感染が広まった新型コロナウイルス。
これにより医療機関は、人員配置を変更したり、病棟をつくりかえたり、対応をせまられました。
2020年5月あたりから系列病院でコロナ病棟をつくるという話になり、個室しかないフロアをまるまるコロナ病棟へつくりかえました。
差額ベット代をとっていた個室は、感染ごみや汚物入れが置かれ、赤や黄色のテープが床に張られ、ゾーニングがされました。
壁には、体温や血圧を書くホワイトボードがあり、その横にはフェイスシールドをかけるフックがありました。
コロナ病棟との出会い。Y子の場合
わたしが初めてコロナ病棟へ出向したのは、2021年、2月のことです。
開設当初、呼吸療法認定士の資格をもっていたので出向を希望しようと思っていましたが、そのころ体調が悪く、上司からの返事はNOでした。
また家族がいる人は家庭内感染のリスクもあり、除外されました。
しかし2020年12月にコロナに感染しました。
すでにコロナに感染したこともあり、出向メンバーに立候補しました。
ほかにコロナ病棟への出向を希望するスタッフもおらず、私が出向することとなりました。
コロナ病棟の住み心地
わたしが出向した時期は、クラスター発生の真っただ中でした。
忙しいかと思いきや、入退院を止めていたこともあり意外とヒマでした。
しかし、通常にもどった瞬間から、めちゃくちゃ多忙となりました。
多い時は夜勤帯で入院7件、休憩なしのノンストップ勤務。
夜勤は16:30~翌日9:30が定時です。
最後の夜勤は、いそがしすぎて記憶がないです。
最終的には、コロナが終息すれば、病棟をもとに戻す予定なので、すべてが借りぐらしな感じで、住み心地は良いとは言えませんでした。
ただ、明るいスタッフにめぐまれ、仕事自体は辛くありませんでした。
コロナ病棟の実際
8:45~清掃
病室以外のエリアをルビスタや環境クロスで清掃します。
パソコン、休憩室にいたるまで、フロア全体を、スタッフ総出で拭き上げます。
8:55~申し送り
夜勤者から申し送りをうけます。
受け持ちは3~4人と少なかったので、すぐ終わります。
9:00~物品準備、防護具をきて入室
個人防護具を毎回着用するため、なんども行き来しなくて済むよう、入室前には物品をぜんぶ揃えます。
おむつ、血糖測定器、吸引チューブ、固定テープなど、過不足なくちょうどいい量を揃えます。
もし忘れ物があっても入室してしまったら、途中で取りには行けません。
防護具を脱いで退室します。
9:00~バイタルサイン測定
バイタルグッズはすべて部屋の中に準備してあります。
じぶんのポケットからボールペンは出せませんので、ホワイトボードに一度記入し、退室してからメモをとり、電子カルテに入力します。
部屋のかべには鏡があり、死角となっている場所も観察できるよう工夫がされていました。
全員、心電図やSpO2がナースステーションに飛ぶようモニターが装着されていました。
9:30~回診、スマートジーン検査
一定期間入院したら、スマートジーンというSARSコロナウイルス核酸キットで判定をします。だいたい60分かかります。
陰性を確認したら、一般病棟へ転床となります。
11:00~転床準備
判定が済んだ患者さんから転床準備をはじめます。
荷物のチェックやサマリーの記載、転床にむけて導線の確保をします。
11:30~配膳、食事介助
感染病棟での配膳は、めんどうです。
消毒したトレイに一度おさらをのせて、お部屋の前までもっていき、防護服を着て入室、配膳します。
それを全員行います。
なので、一回の配膳に通常の倍の時間がかかります。
食事介助が必要な方もいます。
会話はひかえます。
フェイスシールドは必須です。
食事が終わったら、お皿などすべて感染ごみへ捨てます。
12:30~交代で休憩
ひとりずつ交代で休憩に入ります。
ゆっくり休憩できる雰囲気はありません。
ごはんを食べて終了です。
14:00~転床、部屋清掃、消毒、入院
検査が陰性となったら、一般病棟へ転床させ、部屋を作り直します。
清掃も看護師が担います。
トイレ掃除も、洗面台の掃除も、ベッドメイキングも看護師がやります。
なんせ雑務がおおいです。
紫外線照射殺菌装置をもちいて殺菌します。
なかなかのしごと量です。
部屋が空いたと思ったら、次の患者が入院します。
16:30~申し送り
夜勤者へ申し送りをします。
交代前に入院の記録を終えていないとパソコンの奪い合いになります。
たいてい、終わることはないので、ここから3時間くらい残業します。
コロナ病棟のよいところ
- 受け持ちは少ない(場所による)
- 全員モニターを装着しているので、状態を把握しやすい
- コロナ手当がつく
- 出向者にはコロナ休暇がつく
コロナ病棟のよくないところ
- 転床、入院のくりかえしで継続看護は難しい
- 達成感がうすい
- 雑務が多い
- 体調に気をつかう
- 家族に気をつかう
- 閉鎖空間にストレスを感じる
- トイレがひとつしかないため、男女共用
- 防護具装着がめんどう
- 診療科が多岐にわたるため、スキルが問われる
- 残業が多い
- メンタルやられる
- 感染予防につねに頭がフル回転
まとめ
新型コロナ感染症に、医療者は翻弄されています。
コロナ病棟へだれがいくのか?
どのくらいの期間いくのか?
「わたし絶対嫌なんだけど。」
「これは強制です。」などなど。
医療者といえど感染症にかかりたくないのは、同じです。
使命感まかせでは病棟はなりたちません。
なので、手当や休暇をつけているのだと思います。
コロナが終息に向かえば、コロナ病棟も閉鎖となります。
そんな日が一日でもはやく来ることを願います。
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